失業保険(雇用保険)の一般被保険者は、失業すると一日単位で失業手当をもらうことができます。しかし無期限というわけではありません。失業手当に限度額があるように支給日数にも限度があります。これを所定給付日数といいます。
所定給付日数の格差
平成13年3月31日までは、どのような理由で退職しようとも、年齢と被保険者であった期間によって所定給付日数は決まっていました。
現在では、雇用保険法の改正により被保険者であった期間と年齢に加えて、「離職の理由」および「再就職が困難であるか」によって格差をつけられています。離職の理由としては「自己都合」なのか「会社都合」なのかによる区分となっています。どちらになるかは、あくまでもハローワークの判断にゆだねられます。
年齢により格差がつけられているのは「会社都合」による退職の場合だけです。これは年齢が高くなればなるほど再就職は厳しくなる、という見解に基づいて決められています。
一方、「自己都合」による退職の場合は年齢に関係なく、被保険者期間のみで格差がつけられています。また、「自己都合」による退職の場合は待機期間7日間に加えて、3ヶ月の給付制限もあります。
この改正の大きな特徴は、これまで会社都合の退職とみなされていた「定年退職」が自己都合の退職扱いになったことです。ただ、救いがあるとすれば、「給付制限」がつかないことです。
基本手当所定日数表
自己都合、会社都合による退職者および就職困難者に基本手当所定日数は以下のようになります。
以下の表を見ても解かるとおり、一番優遇されているのは45歳から60歳未満の人になります。これはこの年代が会社都合等で退職した場合、就職先が決まるまで時間もかかると考えられているからです。
また、この基本手当所定日数は病気や怪我などで連続して30日以上働けない状態であれば、受給期間はその日数分延長されます。ただし、日数だけです。受給額は同じですのでお間違えなく。
なお、受給期間の満了日は説明会で渡される「受給資格者証」に記載されています。自分の満了日がいつなのかきちんと把握しておきましょう。
自己都合による退職の場合
| 被保険者期間 | 10年未満 | 20年未満 | 20年以上 |
| 65歳未満 | 90日 | 120日 | 150日 |
会社都合による退職の場合
| 被保険者期間 | 1年未満 | 5年未満 | 10年未満 | 20年未満 | 20年以上 |
| 30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | |
| 35歳未満 | 90日 | 180日 | 210日 | 240日 | |
| 45歳未満 | 240日 | 270日 | |||
| 60歳未満 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 | |
| 65歳未満 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
就職困難者の場合
| 被保険者期間 | 1年未満 | 1年以上 |
| 45歳未満 | 150日 | 300日 |
| 65歳未満 | 360日 |
65歳以上の退職者の場合
65歳以上での退職者は、退職理由に関係なく高年齢求職者給付金という一時金を30日分~50日分もらえます。
| 被保険者期間 | 1年未満 | 1年未満 |
| 高年齢求職者給付金 | 30日分 | 50日分 |
就職困難者への給付日数延長制度
一般被保険者と短時間被保険者の中でも所定給付日数が終わっても再就職できない人はたくさんいます。そのような就職困難者で一定の条件を満たしている人は、失業手当の給付日数と受給期間が延長される制度があります。
特別個別延長給付
特別個別延長給付は、失業手当の所定日数のみが延長されます。対象者は
- 事業所の倒産・廃止・移転などによって退職せざるをえなかった人
- 特定の不況業種に勤めていた人
になります。どちらも一般被保険者が対象で、短時間被保険者は含まれません。
期間内に再就職ができなかったからといって、誰もがこの制度を受けられるわけではありませんが、とりあえずハローワークに相談してみましょう。延長が決定された場合は、失業手当の所定給付日数が終わった時点で本人に通知されます。
訓練延長給付
これは公共職業訓練などを受講する場合に適応されます。延長されるための条件は
- 職業訓練の受講が始まるまで待機している(限度90日)
- すでに公共職業訓練などを受講中(限度2年間)
- 公共職業訓練が終わっても就職が困難(限度30日)
となります。
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