警察官(けいさつかん)とは、一般的に警察と呼ばれる公的な治安・法執行活動を遂行する機関に所属し、その機関において職務に就いている人のことである。
治安・法執行機関の定義構成は国ごとに異なっているため、警察官の定義づけも必然的に国ごとに異なったものになる。
警察官の役割
警察官の役割や権限は国や自治体によって異なるが、共通していえることは治安維持である。法治国家では法律に基づいて活動し、法律を破ったものを罰則する形になる。警察官は世界的に、銃を日常的に携帯している(イギリス、また日本の交通取締担当など一部に、警棒と手錠しか持たない例がある)。
法的な定義
日本において、警察官とは、警察法の定めにより警察庁、都道府県警察に置かれる公安職の警察職員をいう。(警察法第34条1項、55条1項) 警察官は、警察法に規定する個人の生命、身体及び財産の保護、犯罪の予防、公安の維持並びに他の法令の執行等の職権職務を忠実に遂行する。(警察官職務執行法第1条1項)
警察官は、上官の指揮監督を受け警察の事務を執行する。警察官職務執行法の規定によるの外、刑事訴訟その他に関する法令及び警察の規則による職権職務を遂行するものと定められている。(同法第8条)
警察官の階級
官職最高位の警察庁長官を除く警察官の階級には、警察法第62条により、階級最高位の警視総監(警視庁の長、他の道府県警察本部長に相当)以下、警視監、警視長、警視正、警視、警部、警部補、巡査部長及び巡査の9階級が定められている。 警視以下の階級の場合、警視庁警視、北海道巡査、警察庁警部のように『警視庁』、道府県名または『警察庁』が階級の前に付き、警視正以上の階級には前に何も付かない。また、警察庁警察官は警察庁巡査部長以上の階級しか存在しない。
警察庁長官は警察官であり(警察法第34条第3項)、序列上は警視総監の上位にあたるが、警察官としての階級は有していない"無級の警察官"。このため、警視総監までの警察官は制服着用時に「階級章」を着装することとなっているが、長官は特別に規定された「警察庁長官章」(金色の5連旭日章)を両肩肩章に着装することとされている(警察官の服制に関する規則第4条第1項)。
| 警察官の階級 | |||
|---|---|---|---|
| 序列 | 階級 | 主な役職 | |
| 1 | 警視総監 | 警視総監 | |
| 2 | 警視監 | 管区警察局長・警視庁副総監・道府県警本部長 | |
| 3 | 警視長 | 道府県警本部長・方面本部長 | |
| 4 | 警視正 | 警察本部部長、主要課長・大規模署長 | |
| 5 | 警視 | 警察本部課長・警察署署長、副署長・大隊長(機動隊等。以下同じ) | |
| 6 | 警部 | 本部課長補佐、主要係長・警察署課長、課長代理・中隊長 | |
| 7 | 警部補 | 警察本部主任・警察署係長・小隊長 | |
| 8 | 巡査部長 | 警察署主任・分隊長 | |
| - | (巡査長) | 指導係員 | |
| 9 | 巡査 | 係員 | |
警視総監は、東京都警察の本部である警視庁(他の道府県警察本部に相当)にのみ置かれ、職名と階級名が一致している。全国の道府県警察本部長が、警視監ないし警視長なのに対して首都の治安維持を指揮する警視総監は、階級においても組織力においても一頭抜きん出た地位といえる。
警察官の採用には、人事院の実施する国家公務員試験のI種、II種のほか、各都道府県の人事委員会(警視庁又は道府県警察に業務が委託されている場合もある。)の実施する地方公務員(1類、2類、3類)としての採用もある。国家公務員を通じて採用された場合、国家I種合格者がキャリアといい警部補の階級を初任とする。II種合格者が準キャリアの扱いとなり巡査部長の階級を初任とする。国家公務員としての警察官には階級における昇任試験はない。地方公務員として採用された場合は巡査の階級よりはじまり、巡査部長、警部補、警部と3段階の昇任試験を通じて昇任の道が開ける。いずれも倍率の高い試験である。但し、巡査から巡査部長までの昇任は以前ほど厳しくなく、それ以上の昇任は依然として難関であるといわれている。ちなみに警察制度上、巡査部長は初級幹部、警部補は中級幹部とされる。警視以上の階級は能力に応じて登用される。地方公務員として採用された者も警視正(大規模な警察署長の位)以上の階級になると自動的に国家公務員となる。また、巡査と巡査部長の間に一種の名誉職として巡査長がある。巡査を一定期間経験し、勤務成績優秀と認められた場合に任じられる。 その他の階級のある公務員でも同じであるが、殉職した場合は殉職の態様により二階級、あるいは一階級特進等の形で特別に昇任する場合があり、その場合には、叙勲・その他の保障も特進した階級に基づきなされる。
住居
警察官になると国家により警察官の身分に関する保障がなされるが、それに伴い住居保障もなされる。 警察学校研修期間中は全寮制で併設の寮へ入居する。寮は個人用の個室と、集団で使用する部屋が用意されている。 警察学校寮の入居は無料。
警察学校研修終了後、独身者は家族と同居で無い場合、確実に寮が与えられる。これは日本全国同様で、警視庁、道府県警全てに警察官用の寮が確保されている。
民間企業では金銭上の都合から社員寮を廃止しているところもあるが、警察では寮は全国的に運営されている。
入居者により男子寮、女子寮とに分けられている。
寮なので当然一般住居よりも安く入居できる。家賃は同程度の一般家屋の半額以下。
昔は寮長などが置かれ入居者にも門限や個人指導等が行われていたようだが、近年では全国的に専用の寮長が廃止され運営体制がかなりフリーになってきている。
今現在では普通のマンションと変わらないような体制になっており、寮長の代わりに管理人役の者が配置される程度。
警察寮は警察が建設発注するケースもあるが、民間のマンション等を買い取って寮にするケースもある。また、マンションの一部を公舎用に指定するケースもある。
寮以外には、公舎が与えられる。公舎は妻帯者の警察官に与えられることが多い。一軒屋とマンションのタイプがある。家賃は同程度の一般家屋の半額程度。
寮も公舎も勤務地から近い場所に設置されるのが普通。警察署ならば署員が署まで徒歩で通勤できる程度の距離に寮・公舎が置かれる。
どちらにせよ一般の住居に住むよりもはるかに安上がりな上、通勤も楽なので大半の警察官は寮か公舎に住んでいることが多い。但し、ある一定階級以上になると私邸を建てるか、専用公舎に移るケースが多い。
警察学校終了後は寮入居の義務はないが独身者の場合、普通のマンションやアパートに入居するケースは少ない。大半は寮か公舎へ入居する。
他の公舎は自治体運営だが、警察官公舎は警察による直接運営。
専用公舎は一定幹部クラスから与えられる。
妻帯者の警察官へは家を建てる際に共済組合から階級に応じた住宅手当が支給されている。
また警察官は民間住居に住む場合も所属する部署により多少事情に差はあれど、勤務先(警視庁、警察署、機動隊基地など)にあまり遠距離の場所に住むことは禁止されている。新幹線や乗り継ぎ電車でしか来れないような遠距離に住むと警察活動上色々と不都合なことが起こる。この為、日本の多くの会社員は長距離通勤者が大半だが、警察官は徒歩通勤者や自家用車通勤者も多い。
警察庁職員の場合は警察庁宿舎が与えられる。キャリア組の警察官は初めは大半ここに入居する。
警察庁長官には国家により公邸が与えられる。
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