航空管制官(こうくうかんせいかん、英:Air Traffic Controller)は、航空交通管制業務を行う者のことである。世界的には、民間企業の場合と公的機関に所属している場合とがあるが、民間企業であっても公的な性格は強い。
日本では国家資格者であり、国土交通省航空局か陸上自衛隊・海上自衛隊・航空自衛隊のいずれかに所属する国家公務員である。自衛隊に所属する航空管制官は自衛官であり、養成教育は航空自衛隊(第5術科学校)が一括して実施、技能試験を国土交通省の試験官が実施している。
国土交通省に所属する航空管制官は一般職の国家公務員として任用され、自衛隊に所属する航空管制官は特別職の国家公務員として任用されている。それぞれについて採用試験が異なる。海空自衛隊においては入隊後の教育(研修)期間中に航空管制部門への配属が決定し、陸上自衛隊においては、希望する隊員に対して適性試験を実施して選抜を実施している。
国土交通省に所属する航空管制官は、全国4ヶ所にある航空交通管制部(札幌・東京・福岡・那覇)や、全国の空港に勤務し、主に空域の交通管理をすることにより円滑な航空機の運航を支える。計器飛行方式(IFR)で飛ぶ航空機は、必ず航空管制官の指示を受けて飛行することが義務付けられている。
航空交通管制は、飛行場管制、進入・ターミナルレーダー管制、着陸誘導管制、航空路管制の5種類に分類されることが航空法施行規則で定められている。
飛行場管制
空港の管制塔(コントロール・タワー)では、飛行場とその周辺を航行する航空機を、目視により管制しており、これを飛行場管制(ひこうじょうかんせい)と呼んでいる。この業務は飛行場内エプロンをの除く走行地域と航空交通管制圏内の空域をその対象としている。
飛行場管制は元々、無線交信を担当する席と直通電話等を使用して調整を行う席のみであったが、現在のトラフィック量から言って、規模の大きい空港においては前述2席のみではトラフィックを捌ききれないため、いくつかの席に分けて行われている場合がある。
進入・ターミナルレーダー管制
交通量(トラフィック)の多い主要空港ではレーダーを用いてこの業務を実施している。さらに、日本での羽田空港のような交通量の多い空港では出発機と到着機の管制は分けて行われる。コールサインは前者がディパーチャー (departure)、後者がアプローチ (approach)。ターミナルレーダー管制は、通常、空港事務所内のIFRルーム(管制塔の階下にある場合が多い)で行われる。
着陸誘導管制
着陸誘導管制(ちゃくりくゆうどうかんせい)は、GCA (Ground Controlled Approach) とも呼ばれ、視界の悪いとき等に滑走路直前までPAR(Precision Approach Rader, 精密進入レーダー)を使って航空機を誘導するものである。
航空路管制
航空路管制(こうくうろかんせい)は計器飛行方式 (IFR) で航空路を飛行中の航空機に対する航空交通管制である。
管制機関は航空交通管制部 (ACC) であり、日本には札幌、東京、福岡、那覇の4ヶ所にある。アメリカ合衆国のアンカレッジACC及びオークランドACCの分担空域と接する太平洋上の広大な空域は福岡FIRとして福岡交通管制部内にある航空交通管理センター(ATMC)の管轄下にある。それぞれの管制部は、管轄空域を多くの管制席(セクター)に業務を分けて行っており。最も広い範囲の空域を担当している東京航空管制部の場合は、17のセクターに分けて業務を行っている。航空路管制業務は1セクター毎に「対空席」「地区席」「調整席」の3人体制で行われる。「対空席」はいわゆる「レーダー席」と呼ばれ、航空機と直接交信を行い、上昇や降下、進入許可等の管制指示や管制許可を出す。「地区席」は、自己のセクター管轄下にある空港からの出発機に対しての管制承認の発出や、隣接する外国FIRと入域、出域機の移管情報等の送受をランドライン電話により行ったりする。「調整席」は、対空席と地区席との間に入り、レーダー席の業務量、負担を考えながら他セクターと調整をするなどして業務の円滑化をはかる。
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