棋士(きし)は、将棋用語としては俗に「将棋指し」・「プロ棋士」ともいい、本将棋を職業(専業)とする人のこと。現代では日本将棋連盟の正会員のことを指す。棋士は、各種のプロ棋戦に参加でき、連盟の運営を決定する棋士総会に参加する権利を持つ。
棋士と同じく連盟に所属し、女性からなる「女流棋士」もいるが、彼女たちは正式には連盟の正会員(棋士)ではなく、棋士総会に参加する権利を持たない。同様に、アマチュアへの普及・指導を担当する「指導棋士」も正会員(棋士)ではない。
また、日本将棋連盟は各種アマチュア大会に出場するアマチュア(愛棋家)のことを「アマチュア棋士」ではなく「選手」と呼んでいる。
「棋士」の誕生
将棋連盟結成と新聞棋戦賞金の収入によって専業プロの制度が確立するとともに、「将棋指し」に替わって「専門棋士」という呼称が広まった。金易二郎(名誉九段)を1番として、すべてのプロ四段昇段者に棋士番号が連番で付されるようになる。大山康晴(十五世名人)によれば、彼が少年の頃(昭和初期)には専業プロをすでに「専門棋士」と呼んでいたようであるから、大正頃に「専門棋士」という呼び方ができたと考えられる。実際にプロが「棋士」と自称するのが一般的になるのは大山や戦後のプロからと思われる。現在では、日本将棋連盟の正会員「棋士」がプロの正式名称である。
棋士番号
日本将棋連盟では、正会員となった棋士に対して「棋士番号」(きしばんごう)を付与している。1977年4月1日時点での棋士と引退棋士に対し、正式な棋士となった順番に1番からの通し番号を与え、以後新たに棋士となったものにもこの制度を継続している。
1977年3月までに死去した棋士に対しては棋士番号は割り与えられなかった。また、退会・廃業した棋士については、その番号は欠番として扱っている。
女流棋士に対しても同様の制度があり、正棋士とは独立して1番からの連番を与えている。
「トーナメントプロ」と「レッスンプロ」
全国にいる将棋の天才少年たちが奨励会の難関を勝ち抜いてせっかく棋士になっても、上には上がいるものであり、各種棋戦で勝ち抜いてトッププロと呼ばれるようになる棋士もいれば、さっぱり勝てずに伸び悩んで勝負への意欲を減退させる棋士もいる。こうして各種棋戦を勝ち抜いてトップをめざしている強豪棋士を「トーナメントプロ」、必ずしもトップを目指すことにこだわらずに道場や教室などを開き、普及・指導にいそしむ棋士を「レッスンプロ」と呼び分けることがある。谷川浩司や羽生世代・渡辺明のような強豪トーナメントプロたちは、将棋ファンに手に汗握る熱い勝負を披露して魅了する。他方、石田和雄や所司和晴や森信雄のようなレッスンプロは、道場で熱心に指導して多くの競技者を育てている。どちらのタイプのプロも、将棋界への大いなる貢献をしている点では変わりない。
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